コロナ禍を経て、フリーランス市場は大幅に拡大しました。
しかし、実際には全ての業務を1人でこなさなければならず、その上、収入が不安定になりやすいという厳しい現実から、フリーランスにならなければ良かったと後悔してしまう人もいます。
一方、フリーランスならではの困難を乗り越えて成功している人には共通点があります。
この記事では、フリーランスの現実的な問題と、成功するため工夫を紹介します。
希望を持ったフリーランスライフを築いていきましょう。
フリーランスの成功率
フリーランスの成功率は、個々人が求める指標や優先順位によっても異なります。
ここでは『フリーランス白書2024』記載の継続年数と満足度を通して、成功率を見ていきましょう。
- フリーランス歴|10年以上:24%、5〜10年:21.9%
- 満足度|就業環境:74.7%、収入:30.9%
SNSの副業に関する詳しい情報は、「SNSマーケティングの副業で高収入を得るコツとは?主な仕事内容とメリット・デメリットを解説」の記事でも解説しています。
フリーランス歴|10年以上:24%、5〜10年:21.9%
フリーランス白書2024によると、1,242人のフリーランスを対象とした調査では、フリーランス歴10年以上が全体の24.0%、5年以上10年未満が21.9%で、5年以上が合わせて45.9%を占めていました。
また、別の機関による調査では10年以上の割合がさらに大きく、主業として安定するまでにはある程度の年数が必要であることが伺われます。
この背景には、4つの大きな原因があります。
- 市場の変動
- 個人のスキルの陳腐化
- 人との交流が少なくなってしまう
- 事業運営の困難さ
経済状況は常に変わり続けており、新しい技術の出現や消費者の嗜好の変化など、予測不可能な要素が次から次へと出てきます。
そのため、一昔前には成功していたサービスや製品も、今日では時代遅れになり、収入アップが困難になるのです。
その流れについていくためには、市場のニーズを深く理解し、フリーランス個々人のスキルも常に磨き続けなければなりません。
そして、フリーランスは、会計、マーケティング、顧客サービス、在庫管理など、ビジネスのあらゆる側面を自分でしなければなりません。
人との交流が少なくなるため、孤独を感じる人もいます。
フリーランスとして安定して成功するためには、市場や個人の状況に応じて臨機応変に対応する柔軟性と、多くの挑戦を乗り越える前向きな姿勢が必要です。
満足度|就業環境:74.7%、収入:30.9%
70%以上のフリーランスが働く場所や時間など就業環境に満足している一方、収入への満足度は30%強にとどまっています。
収入の満足度が低い主な原因は以下の3つです。
- プロジェクトベースの収入が不規則である
- 他のフリーランスや企業との激しい価格競争
- ビジネススキルや知識の不足
この「収入の壁」を突破するためには、フリーランス自身が戦略的なアプローチを取ることが不可欠です。
特定の専門知識や特殊なスキルを必要とする、競争が比較的少ない市場でビジネスを展開するのも1つの方法です。
自身のサービスがクライアントに対してどのようなメリットがあるのか、競合他社と比較してどのような優位性を持っているのかを明確にすることも大切です。
市場の動向を注視し、自分のスキルを常に磨くとともに、自分のサービスに対する信念を持ち続けていくようにしましょう。
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フリーランスの成功率が高くない原因
フリーランスの成功率が高くないのには7つの要因があります。
- スキルの向上が難しい
- 全ての業務を一人でこなす必要がある
- 景気の影響を受ける
- 長期的な計画が難しい
- セルフコントロールが難しい
- 案件を獲得するのが難しい
- 一つのクライアントに依存しがち
フリーランスが直面する実態を見ていきましょう。
フリーランスが感じる後悔については、「フリーランスが感じる7つの後悔とは?独立時の注意点や後悔しないためにできること」の記事で触れています。
原因(1)スキルの向上が難しい
フリーランスは時間や収入が不規則なため、スキルアップが難しいことがあります。
特に資格取得のためのプログラムやハイレベルな学習プログラムは、多くの時間と費用を要します。
フリーランスは、スキル向上に必要な費用は、基本的に自分自身で賄わなければいけません。
さらにフリーランスはプロジェクトの締め切りやクライアントワークに忙しく、新しいスキルを学ぶための時間を見つけにくい場合があります。
しかし、市場での自分の価値を高め、より良い案件獲得には、新しい知識を学び、スキルアップし続けることが欠かせないのです。
原因(2)全ての業務を一人でこなす必要がある
フリーランスは、全ての業務を自分一人でこなす必要があり、多くの時間と労力を要します。
フリーランスは会社員のような会社からのバックアップがないため、案件の獲得から、実際の作業、日々の業務管理、クライアントとのやり取り、そして請求や会計まで、すべて自分しかいないのです。
本来やりたいと考えている専門的なサービスや、自身のスキルを磨くためのエネルギーが削られてしまうこともあります。
その結果、ストレスの増加、仕事と私生活のバランスの崩れ、燃え尽き症候群へのリスク増加など、フリーランスの健康や幸福にも影響を及ぼす可能性があります。
多岐にわたる業務を効率的にこなすためには、時間管理スキル、優先順位の設定など、柔軟な工夫と多角的な戦略アプローチが必要です。
原因(3)景気の影響を受ける
フリーランスは固定給でないため、市場の需給バランスの変化によって、直接景気の影響を受けます。
経済が不況に陥ると、企業はコスト削減のために、外部に委託する仕事を減らす傾向があります。
さらに、案件があったとしても、予算が限られているために、以前よりも低い料金で仕事を受けざるを得ない状況もあります。
そして、案件の数が減少する一方で、仕事を求めるフリーランスの数は同じか、場合によっては増えるため、競争も激しくなります。
特に同じようなスキルを持ち合わせるフリーランスが多い分野では、仕事を獲得するための競争がさらに厳しくなります。
このような状況を乗り切るためには、不況時でも価値が認められる独自のスキルを身につけ、多様な収入源を確保するなど、前もって準備をしておくことが大切です。
原因(4)長期的な計画が難しい
フリーランスは、長期的な計画が難しく、将来への見通しが不確実です。
多くのフリーランスはプロジェクトベースで働くため、定期的で安定した収入が保証されているわけではありません。
1つのプロジェクトが終了すれば、次のプロジェクトを見つけなければならず、市場調査、見積もりの作成、提案の提出、そして時には新しいスキルの習得が伴います。
さらに、また、クライアントの変動性も不確実性を高める要素の1つです。
クライアントの予算やビジネスの優先順位、市場の動向によって、プロジェクトが突然キャンセルされたり、延期されたりすることもあります。
こうした変動は、フリーランスの収入が不安定になるため、ビジネスの将来計画を立てる上での大きな障害となります。
原因(5)セルフコントロールが難しい
フリーランスは自由な環境で働ける一方、セルフコントロールが難しい職業です。
自宅やカフェでの作業は、一見、自由度が高く魅力的に思えるかもしれません。
しかし、プライベートな空間での作業は、仕事と私生活の境界線が曖昧で、仕事の集中力を妨げ、生産性の落ち込みを招くことがあります。
また、監視する上司や、競争相手となる同僚もいないため、モチベーションを保ち続けるのも難しくなります。
自宅での作業の際に、ついダラダラしてしまったり、作業を先延ばしにしてしまったり、家族が乱入してきたりするのは、容易に想像できますよね。
そのため、作業時間と休憩時間、そして家族との時間を明確に区別するスケジュール作成や、目標設定、仕事の進捗の可視化など、自分に合った管理方法を見つけることが大切です。
原因(6)案件を獲得するのが難しい
フリーランスは、自らのサービスを売り込んで案件を獲得しなければ、仕事を続けることができません。
新しいクライアントやプロジェクトを獲得するためには、自らを積極的にアピールし、人々の関心を引き寄せる必要があります。
業界のイベントやセミナーに参加したり、オンラインのコミュニティに積極的に関わったりし、潜在的なクライアントや協力者との関係を築くのも1つの方法です。
そして、有効的な関係は一晩で構築できるものではないため、継続的なコミュニケーションが必要です。
また、フリーランスは自らのマーケティング活動にも着手していかなければいけません。
自身のホームページの作成、SNSでの定期的な投稿、ブログの執筆、メールマーケティングなどがあります。
さらに、市場は非常に競争が激しく、他のフリーランスや大手企業との間で案件を勝ち取ることは簡単ではありません。
継続的な案件獲得のためには、一つ一つのプロジェクトを高いクオリティに仕上げ、クライアントに満足してもらうのが大前提です。
こうして、リピートや口コミによる新規ビジネスの開拓に繋がっていくのです。
フリーランスのPMOについては、「フリーランスのPMOで仕事を獲得するコツは?個人事業主や副業にもおすすめのリモート案件の探し方や単価の上げ方を紹介」の記事を読むことで、さらに詳しい情報を理解することができますよ。
原因(7)一つのクライアントに依存しがち
プロジェクトが継続的な場合、フリーランスは安定した収入を得られる一つのクライアントに依存しがちです。
しかし、一つのクライアントに依存してしまうと、そのクライアントがビジネスの方針を変更したり、予算を削減したりしたときに、大きな影響を受けます。
更に悪いことに、クライアントとの関係が何らかの理由で終了した場合、フリーランスは突然、主要な収入源を失うことになります。
そうなってしまうと、フリーランスは急速に新しい仕事を見つけなければならない状況に直面します。
市場競争率が高い場合、新規案件の獲得は特に困難です。
取引先を分散すれば、一つのクライアントに起因するリスクを分散し、収入の安定性を確保することはできます。
しかし、多くのクライアントを持つことは、時間管理やプロジェクトの調整といった新たな課題もあり、フリーランスでビジネスを展開する難しさでもあります。
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フリーランスとして成功する人の特徴
成功するフリーランスには、以下のような共通の特徴が見られます。
- 自己管理ができる
- 仕事に対する情熱がある
- クライアントとコミュニケーションが取れる
- 行動力がある
- 変化を恐れない
- 納期を必ず守る
- 長期的な生き方を考えている
- 常に営業活動を怠らない
自身のフリーランスライフに取り入れていきましょう。
特徴(1)自己管理できる
成功するフリーランスは、仕事、財務、時間、健康の自己管理ができています。
仕事のスケジュールを管理して期限を守るのはもちろんのこと、効率よく動ければ生産性を最大化できます。
また、入出金を適切に記録すること、税金の準備をすること、不測の事態に備えた予算も立てることもビジネスの大切な要素です。
そして、仕事面だけでなく、仕事と私生活のバランスや心身の健康も忘れてはいけません。
特に、自宅で働くことが多いフリーランスは仕事とプライベートの境が曖昧になりがちです。
心身の健康は仕事の質と生産性にも関わります。
仕事の専門スキルだけでなく、自己管理能力も高めていきましょう。
特徴(2)仕事に対する情熱がある
成功するフリーランスは自分の仕事に誇りと情熱を持っています。
フリーランスは一般的な従業員とは異なり、固定給や定時の労働時間、他の人からの直接的な指示がありません。
しかし、クライアントに質の高いサービスを提供するために深夜まで働くこともあれば、完璧に仕上げるために追加の研究や努力を惜しまないこともあります。
この情熱はクライアントからの仕事が減少した時や経済的な不況が起こった時に、次の機会に向けて前向きな姿勢を保つための原動力ともなります。
成功するフリーランスは、挫折を経験してもなお、その情熱を失うことなく、逆境をバネにしてさらなる成長を遂げられるのです。
フリーランスの自己PRに関する詳しい情報は、「フリーランスの自己PRのコツは?履歴書でのアピールポイントや経歴を伝える際の注意点を紹介」の記事でも解説しています。
特徴(3)クライアントとコミュニケーションが取れる
コミュニケーションスキルは、どの職業においても重要ですが、フリーランスにとっては特に重要です。
フリーランスはクライアントのニーズや期待を的確に把握し、それに基づいたサービスを提供する必要があります。
そのためには、クライアントの視点に立って物事を考えられるような想像力、共感力、洞察力が役に立ちます。
さらに、クライアントとの信頼関係も欠かせません。
プロジェクトの進捗状況を定期的に報告し、可能な限り迅速にフィードバックに対応し、必要な場合には積極的にアドバイスや提案を行うことが大切です。
特徴(4)行動力がある
成功するフリーランスは行動力があります。
チャンスが転がり込んでくるのを待つのではなく、自らの手で仕事をつかみ取りに行き、自分のキャリアやビジネスを形成していくのです。
例えば、新しいプロジェクトに目を向け、これまで手がけたことのない分野や、新しい技術を学ぶチャンスを自ら探し出します。
知識を深め、新しいスキルを習得することで、より多くのクライアントとのビジネスの可能性を広げられます。
さらに、自分一人だけで仕事を進めるのではなく、他のフリーランスや業界の専門家とコラボレーションすることもあります。
チームで作業することで、異なるスキルや視点を取り入れ、プロジェクトをより質の高いものにしていけます。
このように、待っているのではなく、自らどんどん行動する姿勢が大切です。
特徴(5)変化を恐れない
フリーランス市場は、新しい技術が次々と登場し、消費者の嗜好や動向が絶えず変化しています。
成功するフリーランスは、これらの変化を恐れず、むしろ新たなチャンスとして捉えます。
新しい技術を迅速に習得し、それを自分のサービスに組み込むことで、クライアントにとっての付加価値を高めるのです。
同様に、市場のトレンドが変化すれば、その流れを先取りし、自分の提供するサービスや製品をその方向にシフトさせていきます。
さらに、従来の方法に固執することなく、新しいアプローチやツールを試したり、業界の垣根を越えてアイデアを学んだりすることもあります。
フリーランスが成功するためには、市場や技術の変化を恐れず、自分のビジネスやスキルを進化させ続ける「柔軟性」が不可欠です。
特徴(6)納期を必ず守る
納期を守ることはプロとして当然のことです。
遅れが生じると、自分の信用を失うだけでなく、クライアントのスケジュールに影響を及ぼし、損失を与えかねません。
成功するフリーランスは、予期せぬ事態に備え、余裕のあるスケジューリングをして納期を守っています。
また、仕事の進行状況を定期的にクライアントに報告し、問題が生じた場合は、それをただちにクライアントに伝えます。
コミュニケーションを重視することで、信頼関係が深まり、フリーランスがプロジェクトに真剣に向き合っていることも伝わります。
質の高いサービスを提供すると同時に、納期は必ず守りましょう。
特徴(7)長期的な生き方を考えている
成功するフリーランスは、目先の利益だけでなく、長期的な視野でライフプランを立てています。
- 専門スキルや技術の向上
- マーケティング戦略
- 経済的な安定
- 人脈の拡大
- 心身の健康と私生活の充実
長期的な成功にはどれもバランス良く向上させることが重要です。
フリーランスになると、長時間労働をしてしまいがちですが、健康の維持は、生産性を保ち、仕事の質を高めるためにも極めて重要です。
多角的な視野で長期的なプランを立てましょう。
「広告運用者に残されたキャリアとは?コンサルタントやフリーランスとして活躍するためにおすすめの仕事とスキルを紹介」の記事では、広告運用者のキャリアについてさらに深掘りしています。
特徴(8)常に営業活動を怠らない
成功を収めているフリーランスは、積極的に新しい機会を求め、人脈形成やマーケティングに励んでいます。
新しいプロジェクトやクライアントを見つけるため、業界のイベントに参加したり、SNSでの発信を強化したり、自分のウェブサイトを作成したりして、自分のビジネスやスキルを積極的にアピールするのです。
こうして営業をかけ続けることで、自身の価値が世の中に確立していきます。
営業活動の継続こそが、フリーランスの成功に直結する鍵となるのです。
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まとめ
この記事では、フリーランスの成功率と働き方について掘り下げていきました。
フリーランスは45%以上が5年以上の経験者で、安定するまでにはある程度の年数を要します。
仕事の時間や場所が自由で満足度が70%を超える一方、収入への満足度は30%程度にとどまっています。
フリーランスとして成功するためには、変化を恐れず柔軟に対応することと、長期的な視野で私生活とのバランスを取ることも大切です。
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