リスティング広告におけるKPIの決め方とは?KPIツリーから成果の出る運用のコツを紹介

リスティング広告の効果をどのようにして数値で捉え、最適化していくかは、多くのマーケターが頭を悩ませる課題です。

この記事では、KPI(Key Performance Indicator)の基本から、リスティング広告で一般的に設定される具体的なKPIの内容と、その活用方法について解説します。

リスティング広告の運用をKPIのもと戦略的に行うことで、投資対効果を高め、事業の成果に貢献する広告運用を目指していきましょう。

目次

リスティング広告におけるKPIとは

リスティング広告におけるKPIとは
リスティング広告におけるKPIとは

まずはKPIに関する基礎知識から確認しましょう。

そもそもKPIとは

KPI(Key Performance Indicator)とは、目標を達成する上でその達成具合の評価の基準となる数値のことです。

KPIは、事業として定めた目標に対して、進捗を確かめる役割を果たします。

ビジネスにおいて、何かを成し遂げたいとき、まずは目標を設定します。例えば、ある企業が「今年度の売り上げを前年比10%増加させる」と目標を掲げたとしましょう。

売り上げというものはとてもわかりやすく、目標達成のためにみんなが納得できる数字でもあります。しかし、単に目標を設定しただけでは、どのようにしてその売り上げを達成していくのかは見えてきませんよね。

そこで、KPIを設定してより細かくこの目標を分解していきます。

まず考えられるKPIとして「新規顧客数」があります。これは新規顧客をどれだけ獲得できているかを表す指標で、売り上げを増加させるためのもう一つのアプローチと言えるでしょう。新規顧客数が増えれば、それが結果として売り上げ増に寄与する可能性があります。

このように、KPIを用いることで目標達成の道のりで現在どの位置にいるか、どの程度の速度で進んでいるかを確認することができます。

リスティング広告でよくKPIにされる指標

リスティング広告の世界においてKPIは、非常に重要な役割を持ちますが、KPIと一言に言っても、その内容は様々です。まずは自社の広告運用にぴったり合うKPIを考えてみましょう。

まずは「クリック数」です。これは広告がどれだけクリックされたかを示す数字であり、シンプルに広告の注目度を測るバロメーターとなります。

多くのクリックがあるということは、多くの人々が広告に興味を持ち、それをクリックしてくれたということ。つまり、広告が何らかの興味や関心を引き出せている証拠です。とはいえリスティング広告はクリック課金制なので、無駄なクリックばかり集めるような運用は避けたいところです。

次にコンバージョン数。コンバージョンとは、「目標とする行動」を指します。たとえば、広告をクリックした後に商品を購入したり、問い合わせをしたりする行動がコンバージョンとなります。この数が多いほど、成果の出ている広告だと言えるでしょう。

コンバージョン率は、クリック数に対してコンバージョンがどれだけ起きたかの割合を示します。これは「クリックしてから実際にアクションを起こしてくれたか」、つまり広告が結果にどれだけ繋がったかを測る指標です。リスティング広告ではなるべく少ないクリック数でなるべく多くのコンバージョンを獲得することが、優秀な広告であるという指標になります。

「コストパークリック(CPC)」と「コストパーアクイジション(CPA)」は、広告にかかる費用に関する指標です。CPCは一回のクリックにどれだけのコストがかかったかを示し、CPAは一つのコンバージョン(目標行動)にどれだけのコストがかかったかを示します。これらは広告の「効率性」を知るうえで欠かせない指標となります。

これらの指標を踏まえながら、キャンペーンのパフォーマンスを分析し、ROI(投資対効果)を向上させていくのです。

リスティング広告のROIに関する詳しい情報は、「ROIとは?収益を最大化するリスティング広告の活用術」の記事でも解説しています。

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リスティング広告で押さえておきたいKPIの関連用語

リスティング広告で押さえておきたいKPIの関連用語
リスティング広告で押さえておきたいKPIの関連用語

続いては、リスティング広告を運用する上でKPIと関連して覚えておきたい用語を紹介します。

web広告運用の仕事内容とは?副業としておすすめできる職種や将来性・向いている人の特徴を紹介!」の記事では、web広告運用について解説しています。

KGI(Key Goal Indicator)

KGIは、あるビジネスやプロジェクトの成功を測るための基準となる数値や指標を指します。これはビジネスが追い求める最終的なゴールへの達成率を測るための指標です。

例えばある企業が「年間の売り上げを10%増加させる」という戦略目標を設定した場合、KGIはその10%増加になります。

ただしKGIには注意点があります。KGIは目標の結果を測るものであり、その達成のための「プロセス」や「方法」を示しているわけではありません。

従って、KGIを適切に設定し、達成するためには、その途中の道のりとなるKPIを設定していかなければいけません。つまり、数々のKPIをクリアした先にKGIの達成が待っているということです。

このように、KGIとKPIは事業の目標達成を計画する上で非常に重要な要素です。これらをうまく設定し、適切に利用することで、目標達成の道のりをスムーズに進めることができるでしょう。

KSF(Key Success Factors)

KSFとは、ビジネス目標の達成にあたって、特に注目すべき行動や成果のことを指します。

つまり、ある目標に対して、「これをしっかりと行うことで成功が大きく後押しされる」と認識されているポイントをKSFと呼ぶのです。そのため、KSFでは最終的に成功を収めるための重要ポイントとなる部分を設定します。

例えばリスティング広告では、ターゲティングの精度がKSFとしてよく用いられます。

もし、ある商品が20代の女性をメインターゲットにしているなら、その広告が20代女性にどれだけうまく見せられているかということです。適切なターゲティングができていれば、広告のクリック率も向上し、より高いCVRも狙えるのです。

次に、広告文の品質です。これは、広告を見たユーザーが「クリックしたい」と思うかどうかを大きく左右します。ここでは、商品の魅力をいかに上手く伝え、ユーザーの興味や関心を引き付けるかがカギとなります。

効果的なキャッチフレーズや、ユーザーの解決したい課題に対する具体的な解決策を提示する文言が、KSFとなる要素です。

KPIツリー

KPIツリーとは、ビジネスの様々な目標(KPI)を木の枝葉のようにツリー図として整理したもののことです。KPIツリーの図は、ビジネスの目標から具体的な施策・タスクまでを一つの木に見立てたものです。

例えば年間の売上を前年比10%増加させるという目標から、各部門やチーム、個々のメンバーのKPIまでを、マインドマップのように関連するもの同士でつなぎ合わせて一つのツリーにします。

このようにすることで、メンバーそれぞれが自身のタスクが最終的な企業の目標にどのように貢献しているのかを理解しやすくなったり、全体の目標達成のためには自分たちのチームがどのKPIを重点的に追うべきかが見えるようになったりします。

特にリスティング広告の運用においては、クリック数やコンバージョン率、CPCなどの多くの指標があります。どの指標も一つ一つが大切ですが、全てを同時に追い求めることは難しいものです。

KPIツリーを活用することで、これら多くの指標の中から特に重要なものを明確にし、チームが取り組むべき施策や方針を定めることができます。

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リスティング広告でKPIを設定する理由

リスティング広告でKPIを設定する理由
リスティング広告でKPIを設定する理由

ここまで紹介したようにリスティング広告ではKPIだけでなく様々な指標をもとに広告設計・振り返りを行うことが重要でした。

ではそのような設計の中で、なぜKPIを定めることが重要なのかをもう一度考えてみましょう。

広告の良し悪しを判断するため

KPIを設定する理由の1つ目は、その広告の良し悪しを判断するためです。

先ほど紹介したようにKGIに基づいて設定されるKPIがどれくらいの進捗で達成されているかによって、今運用している広告の成果を判断することができます。

これらのKPIが示す数値によって、どの部分を改善すべきかを明らかにすることができます。例えば、多くのクリックを得られているけれどもコンバージョン数が伸び悩んでいる場合、ランディングページに問題があるのかもしれません。その場合はLPO(ランディングページ改善)を行うことで、より成果が出るようになるでしょう。

c投資対効果の効率を上げるため

ROIは、投資対効果を意味し、使ったお金に対してどれくらいの利益が回収できたかを表す指標です。

これを広告の文脈においてみると、例えば1万円を広告に投じて、それが5万円の利益を生んだ場合、ROIは(利益-投資額)/投資額で計算され、このケースでは(50000-10000)/10000 = 4、つまり400%となります。

つまりROIをKPIとして設定し、その目標を達成することは、同じ予算でもっと多くの利益を生み出すことにつながります。

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広告運用におけるKPI設定と活用法

広告運用におけるKPI設定と活用法
広告運用におけるKPI設定と活用法

最後に、広告運用におけるKPI設定と活用法をみていきましょう。

市場分析を行う

市場分析は、市場や顧客ニーズの理解を深めるために行うものです。

市場分析において重要なのが、ターゲットオーディエンスの特定です。これには年齢層や趣味、価値観といった内容が含まれます。

また、同じ顧客層を対象とする他社の動向を把握し、自社の提供する価値が他社とどう差別化されるかを理解することも必要です。

リスティング広告の分析レポートの詳細については、「リスティング広告の分析レポートはどう作る?運用成果をわかりやすく伝える書き方の例を紹介」の記事で解説しています。

目標とする成果を決める

具体的な数字としての成果目標の設定は、広告運用の方向性を明確にし、チームメンバーが目指すべき具体的なゴールを明確にするためにとても重要なことです。

例えば、「売上を前年比で10%増加させる」などの明確な目標は、チームのメンバーが同じ方向を向いて走るために重要なものになります。

具体的な数値目標は、何をもって成功と見定めるかがハッキリするので、チームメンバーのモチベーションが上がったり、ミーティングにおいても議論の足並みが揃いやすくなります。

目標を達成する指標を決め、KPIとする

具体的な数値目標を決めたら、それを達成するためのKPIを定めることも大切です。

先ほども述べたように、売り上げ目標だけでは、具体的に何をどうすればいいのかが見えてきません。

そこで具体的なKPIを設定し、どの施策のどの数字を改善すればいいのかが明確になると、メンバーが取り組むべき課題が明確になり、PDCAの品質も上がってきます。

あとはこのようにして定められたKPIを達成するために、チームメンバー一丸となって改善の手立てを考えていきましょう。

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まとめ

まとめ
まとめ

この記事では、リスティング広告の運用におけるKPI(重要業績評価指標)の意義と活用法について詳しく解説しました。

KPIは事業の目標を達成するために欠かせない指標で、リスティング広告においてはより成果の出る広告運用のために様々な指標をKPIに設定して取り組むことが重要でしたね。

この記事で紹介したKPIやその関連指標との組み合わせ方をぜひ実践して、より成果の出るリスティング広告運用を目指していきましょう。

また、リスティング広告はより多くの経験を重ねることがとても大切です。

それには自社の事例だけでなく、他の業界や他社の取り組みからも学べることが非常に多くあります。中には一緒にリスティング広告の運用を手伝ってくれる人を募集している企業も多くあり、そのような場に参加することは、リスティング広告のスキルを高めるためにもとてもおすすめです。

Marketing Pieceでは無料でマーケティング職に特化した案件を見ることができるので、ぜひお気軽に見にきてくださいね。

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