IPアドレスの除外設定とは?リスティング広告の不正クリック防止のために必須の設定を確認しよう

IPアドレスは各デバイスの「住所」のようなものです。このIPアドレスを知ることで、アクセスの出所やその背後にあるインターネットサービスプロバイダーを特定することができます。

しかし、特定のIPアドレスからのアクセスを遮断したい場合はどうすればよいのでしょうか?

この記事では、自社や競合他社のIPアドレスを除外することで得られるメリットや、それに伴うデメリットなどIPアドレス除外設定の方法やその重要性について詳しく解説します。

リスティング広告を効果的に運用するための秘訣や、不要なトラフィックを排除する方法など、広告担当のマーケターとして活躍するためにより深い知識を身につけましょう。

目次

IPアドレスとは

IPアドレスとは
IPアドレスとは

IPアドレスは、インターネット上のデバイスが互いに通信する際のアドレスのことを指します。IPアドレスはインターネット上の各デバイスに一意に割り当てられる番号で、これによってデバイス同士が正確にデータをやり取りすることができます。

IPアドレスは、IPv4とIPv6の2つのバージョンが存在し、IPv4は32ビット、IPv6は128ビットの番号で表されます。

リスティング広告のKPIについて興味がある方は、ぜひ「リスティング広告におけるKPIの決め方とは?KPIツリーから成果の出る運用のコツを紹介」の記事もご覧ください。

IPアドレスで何がわかる?

IPアドレスとは、インターネット上の各デバイスに一意に割り当てられる番号のことを指します。この番号によって、いくつかの基本的な情報を知ることができます。

まず、IPアドレスを見ると、そのデバイスがどこに位置しているのか、アクセスしている国や都市の情報など大まかな地理的位置を知ることができます。

例えば、あるウェブサイトにアクセスした際、そのサイトの管理者は、訪問者が日本の東京からアクセスしているのか、アメリカのニューヨークからアクセスしているのかといった情報をIPアドレスを通じて知ることができます。

次に、IPアドレスからは、そのデバイスがどのインターネットサービスプロバイダー(ISP)を通じてインターネットに接続しているのかも知ることができます。

ISPとは、我々がインターネットを利用するためのサービスを提供している会社のことを指します。例として、日本でよく知られているNTTやKDDIなどがあります。

さらに、IPアドレスを基に、そのデバイスが企業のネットワークから接続されているのか、家庭のWi-Fiを使用しているのか、それともモバイルデータを利用しているスマートフォンからの接続なのかといった、接続の種類も判別することができる場合があります。

しかし、これらの情報はあくまで大まかなもので、IPアドレスだけから、訪問者の具体的な個人情報や、正確な住所などを知ることはできません。これは、プライバシーの保護のための重要な要素となっています。

したがって、IPアドレスを知っているからといって、その人の詳細なプロフィールや生活習慣までを知ることはできないのです。

自社のIPアドレスの調べる方法

では、このIPアドレスをどのようにして調べるのでしょうか。

まず、もっとも簡単な方法として、自分の使用しているデバイスのIPアドレスを知りたい場合、ウェブブラウザを開いて「IPアドレス」と検索する方法があります。

これを検索すると、多くのチェックツールのようなサイトがあり、そのサイトをクリックするだけで、あなたのデバイスの公開されているIPアドレスを教えてくれます。

次に、もう少し技術的な方法として、コマンドプロンプトやターミナルを使ってIPアドレスを調べる方法があります。

Windowsを使用している人は「コマンドプロンプト」というツールを開き、「ipconfig」というコマンドを入力することで、ローカルのIPアドレスを知ることができます。

一方、MacやLinuxを使用している人は「ターミナル」というツールを開き、「ifconfig」または「ip a」というコマンドを入力することで、同様の情報を得ることができます。

さらに、特定のウェブサイトのIPアドレスを知りたい場合は、再びコマンドプロンプトやターミナルを使用して「ping」というコマンドを利用します。

例えば、「ping example.com」と入力することで、そのウェブサイトのIPアドレスを知ることができます。

これらの方法を使えば、初心者であっても簡単にIPアドレスを調べることができます。ただし、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、何度か試してみると慣れてくるでしょう。

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IPアドレス除外設定とは

IPアドレス除外設定とは
IPアドレス除外設定とは

IPアドレス除外設定とは、特定のIPアドレスからのアクセスをウェブサイトやオンライン広告のターゲティングから除外する設定のことを指します。

これによって、指定したIPアドレスからのアクセスを無視したり、そのIPアドレスに広告を表示しないようにすることができます。

リスティング広告のROIについて知りたい人は、「ROIとは?収益を最大化するリスティング広告の活用術」の記事も読んでみてくださいね。

IPアドレス除外によって何ができる?

IPアドレス除外設定とは、特定のIPアドレスからのアクセスをウェブサイトやオンライン広告の対象から外す設定のことを指します。

これによって、指定したIPアドレスを使っている人たちには、広告を表示させなくしたり、計測の対象から外したりするということができるのです。

リスティング広告の表示オプションについては、「リスティング広告の表示オプションとは?特徴と設定方法について紹介」の記事を読むことで、さらに詳しい情報を理解することができますよ。

リスティング広告でIPアドレスの除外設定で不正クリックを防止する

リスティング広告とは、インターネット上での検索時に、ユーザーが入力したキーワードや検索クエリに関連する内容を基に表示される広告のことを指します。

例えば、あなたが「スニーカー」をオンラインで検索すると、関連するスニーカーの広告が検索結果のページに表示されることがよくあります。このような広告は、ユーザーの興味やニーズに合わせて表示されるため、非常に効果的な宣伝手段となっています。

しかし、このリスティング広告を効果的に運用するためには、不要なクリックやアクセスを避けることが重要です。

ここで、IPアドレスの除外設定をすることによって不要なトラフィックの排除が可能となります。

トラフィックとは、ウェブサイトやオンラインサービスへのアクセスの流れのことを指します。例えば、自社の従業員がテストのために繰り返しウェブサイトを訪れる場合や、競合他社が意図的に繰り返し広告をクリックする場合など、そのトラフィックはビジネス上の意味を持たない「不要なトラフィック」となります。

このような不要なトラフィックを排除することで、ウェブサイトのアクセス状況や広告のクリック数などのデータがより正確になり、分析や評価がしやすくなります。

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(1)自社のIPアドレスを除外設定にする

(1)自社のIPアドレスを除外設定にする
(1)自社のIPアドレスを除外設定にする

自社のIPアドレスを除外する主な理由は、自社の従業員や関連する人々が自社の広告をクリックすることで発生する不要な広告コストを削減するためです。

また、自社の広告のパフォーマンスを正確に分析するために、内部からのアクセスを除外することも重要です。

リスティング広告の分析レポートに関する詳しい情報は、「リスティング広告の分析レポートはどう作る?運用成果をわかりやすく伝える書き方の例を紹介」の記事でも解説しています。

自社IPを除外する理由

オンライン広告は、ビジネスの成長やブランドの認知度向上のための重要なツールとなっています。しかし、その運用にはいくつかの注意点や工夫が求められます。

まず、「コスト削減」について考えてみましょう。オンライン広告は、多くの場合、広告がクリックされるたびに費用が発生する仕組みとなっています。しかし、すべてのクリックがビジネスの成果につながるわけではありません。

例えば、自社の従業員がテストや確認のために広告をクリックする場合、そのクリックは実際の顧客や売上には寄与しないため、不要なコストとなります。このような不要な広告クリックによるコストを避けることで、全体の広告予算をより効果的に使うことができます。

次に、「正確な分析」の重要性です。オンライン広告の効果を評価するためには、どれだけの人々が広告をクリックし、そしてその後どれだけの人々が商品を購入したかなどのデータを分析することが一般的です。

しかし、自社のIPアドレスからのアクセスやクリックが多いと、これらのデータが歪んでしまい、正確な分析が難しくなります。自社のIPアドレスからのアクセスを除外することで、実際の顧客の反応や行動に基づいた正確な分析を行うことができます。

最後に、「効果的な広告運用」についてです。不要なトラフィック、つまりビジネスの成果に寄与しないアクセスを排除することで、広告が本当にターゲットとする顧客にのみ表示されるようになります。これによって顧客の反応や購買行動などが最大化される可能性が高まります。

このように、これらの3つのポイントを理解し、適切に対応することで、オンライン広告の運用がより効果的かつ効率的になります。

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(2)競合他社のIPアドレスを除外設定にする

(2)競合他社のIPアドレスを除外設定にする
(2)競合他社のIPアドレスを除外設定にする

続いて、競合他社のIPアドレスを除外設定にする場合について考えてみましょう。

競合IPを除外するメリット

オンライン広告は、多くの企業が新しい顧客を獲得したり、ブランドの認知度を高めたりするための主要な手段として利用されています。

しかし、このオンライン広告の運用には様々な課題やリスクが伴います。その中でも、競合他社による不正クリックは特に注意が必要な問題の一つです。

競合他社のIPアドレスを除外する設定を行う主な理由は、この不正クリックを防ぐことにあります。不正クリックとは、競合他社が故意に自社の広告を繰り返しクリックすることで、広告のコストを不必要に増加させる行為を指します。

オンライン広告は、広告がクリックされるたびに費用が発生する仕組みとなっているため、このような不正クリックが繰り返されると、企業の広告予算が大きく浪費されることになります。

さらに、競合他社が自社の広告をクリックする背景には、広告の内容や戦略を調査する目的も考えられます。

例えば、新しいキャンペーンやプロモーションを開始した際、競合他社がその内容を知るために広告をクリックすることが考えられます。このような情報収集を防ぐためにも、競合他社のIPアドレスを特定し、それを広告の表示対象から除外する設定が有効です。

このように、競合他社のIPアドレスを除外する設定は、不正クリックを防ぐだけでなく、自社の広告戦略を守るための重要な手段となっています。企業は、このようなリスクを最小限に抑えるための対策をしっかりと講じることが求められます。

リスティング広告の顧客獲得単価(CPA)とは?業界ごとの平均や目安の考え方を紹介」の記事では、リスティング広告のCPAの平均についてさらに深掘りしています。

競合IPを除外するデメリット

オンライン広告の運用において、競合他社のIPアドレスを除外することは、不正なクリックを防ぐための有効な手段として考えられることが多いです。しかし、このアプローチにはいくつかの課題や注意点が存在します。

まず、「競合のIPアドレスの特定が難しい」という点についてです。競合他社の正確なIPアドレスを知ることは、一般的には難しい作業となります。

IPアドレスは、インターネット上のデバイスを識別するための一意の番号であり、これを特定するためには高度な技術や情報が必要となることが多いです。また、競合他社が複数の場所やデバイスからアクセスしている場合、そのすべてのIPアドレスを特定するのはさらに難しくなります。

次に、IPアドレスは一定とは限らないという問題です。多くのインターネットサービスプロバイダーは、ユーザーのIPアドレスを定期的に変更することがあります。これは、競合他社も例外ではありません。

そのため、一度特定したIPアドレスを除外設定に入れても、その後のIPアドレスの変更により、新たに設定を更新する必要が生じることが考えられます。このような変動を常に追いかけるのは、非常に手間がかかる作業となります。

最後に、「過度な除外」というリスクについて考えてみましょう。競合他社のIPアドレスを除外する過程で、誤って無関係なIPアドレスを除外してしまう可能性があります。

このような過度な除外が行われると、そのIPアドレスを使用している潜在的な顧客やビジネスの機会を逃してしまうリスクが生じます。例えば、大規模な共用施設や組織のIPアドレスを誤って除外すると、その施設や組織のWiFiを普段使っている人たちが自社の広告を見ることができなくなってしまう可能性があります。WiFiの規模が大きければ大きいほど、そこに顧客が含まれる可能性は高くなります。

このように、競合他社のIPアドレスを除外することは有効な手段である一方で、その運用には慎重な対応と注意が必要です。

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(3)特定のIPアドレスを除外設定にする

(3)特定のIPアドレスを除外設定にする
(3)特定のIPアドレスを除外設定にする

オンライン広告やウェブサイトの運用において、特定のIPアドレスを除外する設定は、多くの利点をもたらすことができます。これらの利点を詳しく解説していきましょう。

まず、「セキュリティの向上」という点について考えてみましょう。インターネット上には、悪意を持った第三者や自動化されたスパムボットなど、さまざまな不正なアクセスの試みが日常的に行われています。

これらの不正なアクセスは、ウェブサイトの運用においてセキュリティの脅威となるだけでなく、サイトの正常な運用を妨げることもあります。特定の疑わしいIPアドレスを除外することで、これらの不正なアクセスやスパム行為を大幅に防ぐことができ、ウェブサイトやオンラインサービスのセキュリティを向上させることができます。

次に、「効果的な広告運用」についてです。オンライン広告は、特定のターゲット層に向けて最適化されることが多いです。例えば、ある国や地域、特定の年齢層や興味を持つユーザーに向けて広告を表示することが考えられます。

しかし、ターゲットとしていない地域や組織からのアクセスが多いと、広告の効果が薄れてしまう可能性があります。このような不要なアクセスを排除することで、広告の効果を最大化し、ターゲット層に的確にアプローチすることができます。

最後に、「コスト削減」の利点です。オンライン広告の多くは、広告が表示されたりクリックされたりするたびに費用が発生する仕組みとなっています。不要なアクセスやクリックが多いと、それに伴う広告コストも増加してしまいます。

特定のIPアドレスを除外することで、これらの不要なアクセスを減少させることができ、結果的に広告のコストを削減することができます。

このように、特定のIPアドレスを除外する設定は、セキュリティの向上、効果的な広告運用、そしてコスト削減という、3つの大きな利点をもたらすことができます。

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IPアドレス除外設定のデメリット

IPアドレス除外設定のデメリット
IPアドレス除外設定のデメリット

オンライン広告の運用において、特定のIPアドレスを除外する設定は非常に有効な手段として知られています。しかし、この設定を行う際にはいくつかの課題や注意点が存在します。

まず、「設定の手間」について考えてみましょう。IPアドレスの除外設定は、一見シンプルに思えるかもしれませんが、実際には正確なIPアドレスを特定し、それを広告の設定に適切に入力するという手続きが必要です。特に多数のIPアドレスを除外する場合や、複数の広告キャンペーンを運用している場合には、その手間はさらに増えることが考えられます。

次に、「完全な除外が難しい」という点です。特に大企業や大規模な組織の場合、多数のIPアドレスを持っていることが一般的です。これらのすべてのIPアドレスを完全に把握し、それらを除外設定に反映させるのは、非常に大変な作業となります。

新たにIPアドレスが追加される場合や、一部のIPアドレスが変更される場合など、組織のネットワーク環境の変動にも柔軟に対応する必要があります。

また、IPアドレスを変更することもできるので、本当に悪意のあるユーザーは異なるIPから連続して攻撃を仕掛けてくる場合もあります。そのような場合は単純なIPアドレスのブロックでは対処することができないので、法的処置を考えましょう。

このように、IPアドレスの除外設定は非常に有効な手段である一方で、その運用には注意と手間が伴うことを理解しておくことが重要です。

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まとめ

まとめ
まとめ

IPアドレスは、インターネット上のデバイスを識別するための一意の番号で、これを通じてデバイスの大まかな位置情報や使用しているインターネットサービスプロバイダーなどの情報がわかります。

自社のIPアドレスを除外することで、内部からの不要なアクセスを避けることができ、競合他社のIPアドレスを除外することで、不正なクリックを防ぐことができます。

しかし、競合他社のIPアドレスを除外することには、その特定の難しさや変動するIPアドレスの問題などのデメリットも考慮する必要があります。

IPアドレス除外設定という細かなテクニックを学んだのであれば、マーケティングの最前線でそのスキルを試してみるのもおすすめです。

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